缶切り比較 - Victorinox vs Wenger

Victorinox vs Wenger
缶切りは、はっきりと形状が違った。そして多くの日本人には、旧ウェンガータイプの方が使い易いはずだ。採用するのが日本であったなら、旧ウェンガータイプが採用されていた気がする。

理由だが、ビクトリノックスの方は「押して切っていく」タイプなのに対して、ウェンガーの方は「手前に切ってくる」タイプ。
そして日本の缶切りの多くは「手前に切ってくる」タイプなので、つまり単純に多くの日本人はウェンガーと同じタイプに馴染んでいるということだ。 なお留意すべき点として、ビクトリノックスとウェンガー双方がスイス軍に納品していたモデルである旧「ソルジャー」の缶切りは、共に「押し切り型」、つまりビクトリノックスのタイプだ。
つまりウェンガーであっても、旧「ソルジャー」の缶切りだけは、例外的に押し切り型なのだ。

これはスイス軍のオーダーで押し切り型で統一する必要があったためで、これに関してはちょっと面白い話がある。
旧「ソルジャー」の生産にあたって、ウェンガーはこの形状に特許を持っていたビクトリノックスに、この缶切りのパーツだけを外注し、それを組み込んで製造・納品していたという。
そしてビクトリノックスは、それに対しては利益を求めなかったのだそうだ。

ビクトリノックスの押し切り型は、先端がマイナスドライバー(小)として使えることがメリットだ。

対してウェンガーの(旧「ソルジャー」以外の)缶切りは、メインブレードよりもかなり厚みがある上に、結構鋭い片刃になっていて、大雑把に何かを切ったりするのに使うことができて結構便利だったりする。 段ボール等をズバズバと開封したり等、切る用途の一部ではメインブレードより活躍したりする。

なお残念ながら、現行のビクトリノックスから出ているモデルは、ウェンガー血統のモデルであっても、缶切りは全て「押し切り型」に統一されてしまっている。

いずれにせよ、缶切り不要なタイプの缶詰めがほとんどになってきているので、出番が減ってきているツールだとは思う。

次:ハサミ比較

CopyRight 2024 © hatchet.jp
文章・画像の無断転載を禁じます