ビクトリノックスとの違い

同じ時代の同じ国で、同じ目的のシンプルなツールを生産するメーカーが、同じ程度の予算で、同じ位の大きさで作るとなれば、似るなという方が困難だというのは想像に難くない。

結果として、収斂進化の如く両社の製品はかなり似てはいるが、それでも各々が工夫を凝らした結果それなりの個性の違いが生じており、特にウェンガーは新技術の開発に熱心だった形跡が色濃い。

ツールとしてのビクトリノックスとウェンガーの違いは、ぱっと見では、若干の大きさと、ツールの形状の違いにある。
主なツールの違いについては、実モデルの比較のページで詳しく述べているので、そちらを見て頂きたい。

ミディアムサイズモデル

大部分を占めるミディアムサイズのモデルの全長では、ビクトリノックスが91mm、ウェンガーは85mmで、ビクトリノックスの方が少し大きい。
ただしビクトリノックスも「ティンカー・スモール」「スポーツマン」といった全長84mmのモデルを増やしつつあり、徐々にサイズを統合していくつもりなのかもしれない。

スモール&ラージサイズモデル

スモールモデルでは、ビクトリノックスが58mm、ウェンガーは65mmとウェンガーの方が少し大きく、ラージモデルもウェンガーの方が大きい。

高い技術&高価格

ざっくり&率直に言ってしまうと、ウェンガーの方が工作精度が高く、独自技術も多く、仕上げもいい。ただし高価だった。
高級腕時計や高級車、高級ファッションブランドなど、高品質を売りにするメーカーとのコラボ商品が多かったのも、高品質だった故だろう。
確かに双方を並べて見比べると、どうしてもビクトリノックスの方が大味に見えてしまう・・・興味のある人は実モデルの比較を見て欲しい。

私が初めて自分用としてウェンガーを購入し、使い始めたのは1980年代の前半(私は1971年生まれ)だが、当時もウェンガーの方が値段は高かった。
ビクトリノックスに吸収された今でも、同等モデルではウェンガー血統のモデルの方が値段が高い。

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